銀行の取引履歴や重要な情報が記載されている通帳。
使わなくなった通帳をどのように処分するのが適切か悩む方もいるのではないでしょうか?
「シュレッダーで細かく裁断すれば大丈夫?」と思いがちですが、実はいくつかの注意点があります。
この記事を書いている私は、外資系の総務で10年以上経験のある現役の総務担当者です。
また総務としてシュレッダー導入を実施したこともあり、機密文書処理についてはかなり詳しいです。
本記事では、通帳をシュレッダーで処分する際の注意点と、より安全で確実な処分方法について詳しく解説します。
通帳をシュレッダーで処分する際の注意点
一見安全そうに見えるシュレッダーでの通帳処分ですが、以下の点に注意が必要です。
磁気ストライプの処理: 通帳には磁気ストライプがあり、口座番号などの重要な情報が記録されています。一般的なシュレッダーで裁断した場合、細かく裁断されたとしても、磁気ストライプの情報が完全に読み取れなくなるわけではありません。
インクの特性: 通帳によっては、特殊なインクが使用されている場合があり、細断された破片を繋ぎ合わせることで情報が復元できてしまう可能性もゼロではありません。
自治体のルール: 一部の自治体では、個人情報を含む紙類は特定の分別方法が定められている場合があります。シュレッダーで裁断したとしても、そのままゴミに出して良いか確認が必要です。
復元リスクの可能性: 近年、技術の進歩により、細かく裁断された紙片を復元する技術も存在します。完全にリスクを排除できるとは言い切れません。
シュレッダーされた紙の復元については、以下の記事で詳細に記述していますので、不安のある方は、以下を参考にしていただければと思います。

より安全で確実な通帳の処分方法
上記のような注意点を踏まえ、より安全で確実な通帳の処分方法をいくつかご紹介します。
①銀行の窓口に返却する: 最も推奨される方法です。銀行の窓口に不要になった通帳を持参すれば、適切に処理してくれます。個人情報漏洩のリスクを最も低く抑えることができます。
②銀行のATMや郵送での返却: 一部の銀行では、ATMに通帳返却口が設置されていたり、郵送での返却を受け付けている場合があります。利用している銀行のウェブサイトや窓口で確認してみましょう。
③ハサミやカッターで細かく裁断する + 磁気ストライプを破壊する: シュレッダーがない場合や、より確実性を求める場合は、ハサミやカッターで通帳全体を細かく裁断した後、磁気ストライプ部分をハサミで切り刻んだり、カッターで傷つけたりすることで、情報の読み取りを困難にできます。
シュレッダーの代用品については、以下の記事で詳しくご紹介していますので、参考にしてみてください。

④溶解処理サービスを利用する: 個人情報や機密文書の処理を専門とする業者では、溶解処理サービスを提供しています。溶解するため、完全に情報を抹消することができますが、費用がかかります。
溶解サービスについては、以下の記事で詳しく紹介していますので、検討する方は確認いただければと思います。

シュレッダーを使用する場合の注意点
シュレッダーを使用する場合は、以下の点に注意しましょう。
クロスカットまたはマイクロカットシュレッダーを使用する: 細断サイズがより細かいクロスカットやマイクロカット方式のシュレッダーを選ぶことで、復元のリスクを低減できます。
縦方向と横方向の両方で裁断する: 可能であれば、一度裁断したものを再度向きを変えて裁断することで、より細かくすることができます。
裁断後の破片を混ぜて処分する: 複数の通帳を裁断した場合は、破片を混ぜてから処分することで、繋ぎ合わせる手間を増やし、復元のリスクをわずかに下げることができます。
家庭用のシュレッダーについて詳しく知りたい場合は、以下の記事でわかりやすく説明していますので、あわせてご覧ください!

まとめ
通帳には大切な個人情報が記録されています。
シュレッダーでの処分も一つの手段ではありますが、磁気ストライプの処理や復元リスクなどを考慮すると、銀行への返却が最も安全で確実な方法かもしれません。
もしシュレッダーを使用する場合は、細断方式や裁断方法に注意し、できる限りリスクを低減するように心がけましょう。
大切な情報を守るために、適切な処分方法を選択してみてくださいー!