総務について学ぶ

具体例あり!総務のコスト削減方法10選

財布に紙幣をいれている画像

コスト削減の目標があるけど・・・

・何をすればいいのかわからない。

・コスト削減の具体的なアイデアがほしい。

このような疑問に答えていきたいと思います!

本記事の内容

・コスト削減の実施方法 5ステップ

・具体例あり!総務のコスト削減アイデア10選

この記事を書いている私は、外資系の総務で10年以上の経験がある現役のファシリティマネージャーです。

そんな私が経験をもとに解説したいと思います!

1. コスト削減の実施方法 – 5ステップ –

コスト削減を行うための実施方法を5ステップに分けて解説をしていきます!

①現状把握・分析

②削減対象の決定

③計画

④実施

⑤効果測定

①現状把握・分析

まず現在のコストを把握することが大切ですので、どの費用にどれだけのコストを支出しているのかを把握します。

次に費用の分析を行います。分析でのポイントは以下の通りです。

・少なくとも1年以上の費用をリストアップする

・月別で費用がわかるようにする

・支出の大きい項目から順番に削減可能性を考える

・削減可能性のあるものは、概算でOKなので削減額まで計算する

年間で大きな変動があるコストもあるため、少なくとも1年以上の費用をリストアップしましょう。

月別で費用を把握する理由は、ある特定の月だけ支出が多いなどの傾向を把握するためです。

支出額が大きいものから検討することで、コスト削減効果の高いものを優先的に取り組むことができます。

ただし、金額が大きいからといって削減可能性の低いものに執着せずに、可能性の高いものに分析する時間を費やすようにしましょう。

②削減対象の決定

「削減可能性の高い」かつ「削減額が大きい」ものを削減対象として決定しましょう。

削減できる可能性を%で表し、予想される削減額に掛け算をして期待される削減額として計算するのもアリですね。

そもそも削減できる可能性があるものが少ない場合には、全て削減対象として取り組むのもいいと思います。

③計画

削減対象の決定ができたら、それぞれについて削減計画を立てましょう。

削減対象によっては、「非常に複雑なもの」「長期間に及ぶもの」「利用者に影響があるもの」などもあり、計画によって削減効果が変わる場合もありますので、計画は綿密に詳細に作成するようにしましょう。

コスト削減においては、計画の段階でコスト削減が上手くいくかどうかが決まる、と言っても過言ではないので注意しましょう。

④実施

計画通りに実施をしましょう。

もし計画通り実施できなかった場合には、計画を修正しもう一度実施しましょう。

⑤効果測定

実施が完了したら、効果測定を必ず行いましょう。

計画通りに実施できたからと言って、確実にコスト削減ができたとは限らない場合があります。

毎月の請求書を確認して、削減がどの程度できたのかを追跡するようにしましょう。

前年と比較して、どれくらい削減できたのか?計画通り削減できたか?などを数字で確認していきます。

変動費の場合には、効果測定は実施から1年程度は追跡された方がいいと思います。

なお期待した削減額を大きく下回った場合には、原因調査をしてやり直すこともできますので、効果測定には大きな意味があります。

2. 具体例あり!総務のコスト削減アイデア10選

総務歴10年以上の私がオススメするコスト削減アイデア10選をご紹介します!

①賃料交渉

②拠点の統廃合

③賃貸面積の削減

④空調稼働時間の見直し

⑤照明のLED化

⑥固定電話の台数削減

⑦プリンターの台数削減

⑧文房具などの備品や消耗品を厳選

⑨発注先の一本化

⑩定期的な競争入札の実施

①賃料交渉

総務の中で一番大きな支出は賃料です。

賃料は契約期間中に途中で金額変更をするのは難しいので、契約更改の時期を狙って計画を立てましょう。

交渉にあたっては、社外の不動産コンサルタントまたは仲介業者を利用するのも選択肢の一つです。

ただし、成功報酬型の賃料コンサルタントなどは交渉が強引な場合もあり、大家や管理会社との関係性が崩れる危険性もありますので、コンサルタント選びには慎重になるようにしましょう。

②拠点の統廃合

拠点数を減らすことで、その拠点で支出している費用を削減します。

難易度は非常に高いですが、効果が非常に大きな施策です。

賃料以外にも、水道光熱費、通信費などもあり根こそぎ削減できるメリットがあります。

リモートワークなどを活用して営業所を統廃合するなどの動きを、経営層と一緒に進めていくことが実行のキーポイントになります。

③賃貸面積の削減

フリーアドレスやリモートワークの導入を推進し、座席数および賃貸面積の削減を計画してみましょう。

働き方改革にも関わる部分ですので、これもまた経営層と一緒に進めていくことでスムーズな移行が可能になります。

※フリーアドレス・・・固定席のように席を誰の席と決めずに、どの席を誰が使ってもよいという座席の運用方法。特に外出の多い営業部などは座席数の削減が期待できる。

④空調稼働時間の見直し

賃料の次に大きな支出となるのは水道光熱費です。

その中でも、エネルギー使用量が大きいものが空調(エアコン)になります。

空調の稼働状況を把握し、本当にその稼働時間が適切なのかを検討しましょう。

また空調の消し忘れも大きなコストアップにつながるので、消し忘れが多いようであれば対策を検討するようにしましょう。

⑤照明のLED化

照明設備がLED化されていない場合には、LEDへの交換を検討しましょう。

電球などの簡易的に交換できるものが、コスト削減の狙い目になります。

逆に照明器具自体の交換が必要な場合は、導入コストが大きくコスト削減につながらないことが多いので注意しましょう。

⑥固定電話の台数削減

固定電話の必要性についても再検討をしましょう。

現在では携帯電話でのやりとりが増え、Zoomなどのテレビ会議システムも普及しており、部署によっては固定電話の必要性が薄れている場合があります。

固定電話と携帯電話でダブルコストになっている場合がありますので、一度見直しをすることをオススメします。

⑦プリンターの台数削減

リモートワークの実施により、デジタル化が加速してきました。

その中でコピーやプリントアウトすることが確実に減っていると思います。

プリンターや複合機などの台数についても、見直しをすることでリース料などの削減を目指しましょう。

⑧文房具などの備品や消耗品を厳選

総務では文房具などの備品や消耗品を定期的に発注していると思います。

それをリストアップし、同等品でもっと安いものがないか調べてみましょう。

またそもそも常備している備品のラインナップが適切なのかも検討しましょう。

特にあまり使われていない商品などは、ラインナップから外すなどして不良在庫を生まないようにしましょう。

⑨発注先の一本化

発注先を一本化して、ボリュームディスカウントを得るというやり方です。

例えば文房具をA社とB社から納入してもらっている場合は、まとめてA社(又はB社)にすることで、ボリュームが大きくなりより安価な条件を引き出すという形です。

また複数拠点ある場合に、各拠点で分散していた発注先を本社一括で全拠点分を発注することでボリュームディスカウントを得るやり方もあります。

⑩定期的な競争入札の実施

金額の大きい発注先に関しては、定期的に競争入札を実施することをオススメします。

金額が全てとは言いませんが、長年の付き合いということで馴れ合いになっており市場価格と乖離している料金を支払っている場合があります。

一般的に3年に1回程度は競争入札を行い、市場価格との乖離がないかを確認するようにしましょう。

また常にベストな発注先を選定することが、より良い総務サービスを社員に提供するということにもつながります。

まとめ

この記事では、コスト削減の実施方法 – 5ステップ と総務のコスト削減アイデア10選について説明してきました。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

コスト削減は、総務として直接的に利益貢献できる方法です。

利益率10%の会社では、100万円のコスト削減が1000万円の売り上げに相当します。

また例えば社員が集まる休憩室を作りたいなど、総務が実現したいことがある場合に、予算を捻出するためにコスト削減を行うのも戦略としてアリだと思います。