・ファシリティマネジメント業界に興味があるけど、どんな業界なの?
・ファシリティマネジメント会社って実際どうなの?
・どんなファシリティマネジメント会社があるの?そのランキングは?
このような疑問に答えていきたいと思います!
・ファシリティマネジメント業界について
・ファシリティマネジメント会社って実際どんなことやっているの?
・外資系ファシリティマネジメント会社のシェアランキング
この記事を書いている私は、外資系の総務で10年以上の経験がある現役のファシリティマネージャーです。
そんな私がファシリティマネジメント業界について紹介したいと思います!
ファシリティマネジメントについて詳しく知りたいという方は、以下の記事でわかりやすく説明していますので、あわせてご覧ください!
ファシリティマネジメント業界について
まずファシリティマネジメント業界とはどんな業界なのかについて定義を確認しておきましょう。
ファシリティマネジメントは英語で「Facility Management」と書きます。頭文字をとって「FM」と略されます。
「Facility」とは施設や設備を意味し、「Management」は管理と訳すことができます。
直訳すると「施設管理」「設備管理」になります。
一方、日本ファシリティマネジメント協会では、ファシリティマネジメントを「企業・団体等が組織活動のために、施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する経営活動」と定義しています。
これを少し簡単にすると、「不動産や施設の環境を良くしていくための取り組み」と言えるかなと思います。
一般的にはファシリティマネジメント業界というと、ファシリティマネジメントを顧客などに対してサービスとして提供する事業を行う業界を指します。
ちなみに、2021年の世界のファシリティーマネジメント市場規模は431億米ドルといわれております。
また2022年から2030年までの予測期間中の年平均成長率(CAGR)は10.9%を記録し、2030年には世界のファシリティマネジメント市場規模は998億米ドルに達すると予測されており、世界的に見ても非常に成長性のある業界です!
市場規模では、施設に関わるコンサルティングや施設を管理するためのITツールなども含まれますが、この記事ではオフィスビルや工場、ショッピングモールなどの施設を所有または賃借している企業から施設管理業務の委託を受けて実施するサービスをファシリティマネジメント業務として扱っていきます。
またファシリティマネジメント業務の中には、テナント企業から委託されているのであれば総務業務、オフィスビルなどの所有者から委託されているのであればビル管理業務が含まれます。
ビル管理業務はビルメンテナンス業界にお任せするとして、この記事ではテナント企業などから委託されるファシリティマネジメント業務を実施する企業について取り上げたいと思います!
ファシリティマネジメントはアメリカで生まれですので、今回は特にその本場である外資系ファシリティマネジメント企業に注目していきます。
ファシリティマネジメント会社って実際どんなことやってるの?
ファシリティマネジメント会社は別の主力事業を持っている場合が多く、本業の強みを活かして事業展開されている場合が多いです。
例えば、不動産業、ビル管理業、清掃業などで、それぞれの強みをもってファシリティマネジメント業務をクライアントに提供しています。
社員に対してサービスを提供したり、施設を管理しなければならないため、サービス提供は基本的にクライアント企業内に常駐する形で行われます。
具体的な業務は委託契約の内容によって異なります。あくまでも一例ですが外資系で一般的に行われているファシリティマネジメント業務の委託内容は、以下の通りとなります。
<総務業務>
- 文房具管理
- コピー機・複合機管理
- 文書管理
- 貸出備品管理
- 名刺や封筒などの印刷物管理
- 社内イベントの企画/運営
- 代表電話の取次
- 各種問い合わせ対応
- 受付・来客対応
- 郵便物や宅配便の受領/受渡
<施設管理業務>
- 設備管理
- 内装管理・修繕
- 座席管理
- 家具管理
- 施設内の巡回点検
- 清掃業務管理
- 防火防災管理
- 会議室システム管理
業務内容が多いですね・・・内容が非常に多岐にわたるので、全てのことに精通するにはかなりの時間と経験が必要かなと思います。
総務業務は、そこまで専門性が必要な業務は多くはなく、皆さん現場で経験を積んでいる形が多いです。
施設管理業務は専門的な知識が必要な場面があり、もともと建築や設備関連の仕事をしていた方も多くいます。ただ必ずしも専門的な経験をもっていなければ出来ない仕事はそう多くはなく、日々設備の勉強をしたり資格を取得したりして、自分なりに努力している方も多くいます。
この2つの業務をすべて理解してサービス提供する現場責任者の方は、やはり経験豊富な方でマネージャーとして優秀な方が多いです。
外資系では、プロフェッショナルとしてサービス提供を求められますので、業務遂行するファシリティマネジメント会社は、単独で業務遂行できるプロの集団としてサービスを提供しています。
外資系ファシリティマネジメント会社の市場シェアランキング
さて外資系ファシリティマネジメント会社の市場シェアランキングについて、ご紹介したいと思います!
ただ、日本の市場シェアについて公表されているランキングはありません。このため、私が見聞きした情報の中での独自ランキングを発表させていただきます。
なお、ファシリティマネジメント会社の売り上げは契約に依存するものですので、拮抗している場合などは年によってランキングが異なる場合があります。
1. ジョーンズラングラサール
外資系総合不動産会社で、日本においては、1985年にJLL日本法人を設立。以来30年以上にわたり、ファシリティマネジメントなど不動産価値を最大限に高める為のサービスを提供しています。
グローバルなネットワークを活用するとともに、テクノロジーと不動産会社の専門性を活かしたオフィスの総合的なサポートに強みを持っています。
日本およびアジアパシフィックでのファシリティマネジメントサービスが好調なようです。
2. シービーアールイー
世界最大の事業用不動産サービス会社で、日本ではCBREの前身となった生駒商事が1970年に設立されて以来、半世紀にわたり、地域に根ざしたサービスを展開しています。
2015年にグローバルで活躍していた設備関連企業のファシリティマネジメント部門を買収したことで、市場シェアを大幅に拡大することに成功しました。
グローバルな知見と不動産会社の専門性、設備関連会社のノウハウを活用しサービス展開をしています。
3. グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス
総合施設管理の世界的大手であるソデクソ社とビルメンテナンスの国内パイオニアであるグローブシップ社が合弁会社として設立した会社です。
両社のノウハウやネットワークを生かして、国内の工場や事業所向けに清掃や警備、備品調達など、総合施設管理(IFM: Integrated Facility Management )事業を展開しています。
2016年に設立されたファシリティマネジメント専門の会社ですが、事業開始時に54名だった従業員は2021年には175人と急成長している会社です。
4. ISS
デンマークに本拠を置く清掃サービスを出自とするファシリティマネジメント会社です。
クリーニング・ケータリング・セキュリティ・サポートサービスなど、企業のファシリティに関わる幅広い分野を請け負っています。
5. クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド
ニューヨーク証券取引所に上場している世界有数の不動産サービス会社で、事業用不動産のノウハウとグローバルなネットワークを活かしてファシリティマネジメントのサービスを展開しています。
まとめ
この記事では、外資系ファシリティマネジメント会社の市場シェアランキングということで独自のランキングを紹介してきました。
独自ランキングですので、もし間違いなどございましたら、ご容赦いただきますようお願いいたします。
アウトソーシングを検討している方や転職などを考えている方の参考になれば嬉しいです。
総務の大学では、総務のアウトソーシングについてもご紹介しておりますので、もし興味があれば見てみてもらえればと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!