2025年度から試験制度が変更になるみたいだけど、
・どんな資格か知りたい!
・具体的な変更点は?
・どれくらい難しい試験なの?難易度に変化はあった?
このような疑問に答えていきたいと思います!
・認定ファシリティマネージャー(CFMJ)試験概要
・2025年度からの変更点
・2025年度からの試験の難易度について
私は外資系の総務で15年以上の経験がある現役のファシリティマネジャーです。
私自身も27歳の時に認定ファシリティマネジャー試験に合格しています。
また私が試験のアドバイスをして、合格したスタッフもいます!
そんな私が経験をもとに解説したいと思います!
認定ファシリティマネージャー(CFMJ)試験概要
認定ファシリティマネージャー(CFMJ)は、ファシリティマネジメントに関する唯一の資格です!
総務を総合的に網羅した代表的な資格は存在しませんが、ファシリティマネジメントにはこれがあるのです!!
登竜門として、ファシリティマネジメントの基礎的理解を得るために、総務・施設管理担当のみなさんも資格取得を目指してみてはいかがでしょうか?
ファシリティマネジメント(FM)ってなに?という人はまずは以下をご覧ください〜!

2024年度以前の試験の概要については、以下にまとめていますので参考までに掲載しておきます。

資格概要
認定ファシリティマネージャー(CFMJ)とは民間資格で、日本ファシリティマネジメント協会、ニューオフィス推進協会、ロングライフビル推進協会の3団体が協力して実施するもので、試験に合格し登録を行うことで、「認定ファシリティマネジャー(CFMJ)」の称号を得られるというものです。
(CFMJとは、Certified Facility Manager of Japanの頭文字をとった英文名称です。)
民間資格ですので、国家資格のように法律で定められた独占業務がある訳ではありません。
「認定ファシリティマネジャーです!」と名乗ったり、名刺や履歴書に書ける資格という認識でいてもらえれば大丈夫です。
それだけ!?って思うかもしれないですが、総務・ファシリティマネジメント業界では唯一の総合的な資格ですので、これを持っていると基礎的な理解があるという証明にもなりますし、何より総務やファシリティマネジメントへの本気度が伝わる資格なので、転職などでも有利に働くでしょう。
日本の総務業界でもファシリティマネジメントへの注目度は年々増しており、社内でも一目おかれる存在になるかもしれないです。
またFMの専門知識や考え方を習得することで、今後の総務業務への応用なども期待でき、1つ上の総務を目指せる資格です!
試験概要
受験資格:制限なし。国籍や年齢・学歴・性別に関係なく、どなたでも受験できます。
◆試験内容:学科試験 3教科(40問、120分)
◆教科:①FM概論、②FM業務、③FM知識
◆出題範囲:公式発表は以下の通りとなります。教科書(必須参考書)として「公式ガイド ファシリティマネジメント」が明記されていますので、この本の内容からの出題が原則となっています。


◆試験方法:CBT試験(Computer Based Testing)にて実施
CBT試験とは、インターネットから試験日時・テストセンターを予約し、テストセンターのパソコンを使用して行われる試験です。テストセンター(試験会場)でコンピュータに表示された試験問題に対して、マウスやキーボードを用いて解答する形式になります。
◆合格点:2025年度の合格点は292点以上(400点満点中)
直近2年間の試験結果に基づき算出されているため、毎年変更がありそうです。
◆合格率:44%前後
◆受験者数:毎年1000人程度
◆申込方法:CBTソリューションズのHP「受験者専用サイト」から申し込み
◆受験料:試験手数料19,800円
◆試験申込:2025年8月1日(金)~10月17日(金)78日間
◆試験実施:2025年10月4日(土)~10月20日(月)17日間
認定登録概要
試験から新規登録、更新登録までの流れは以下の通りとなります。

◆新規登録
新規登録は合格した年+5年以内に行う必要があります。
試験合格後、新規登録を申請された方で、登録の欠格事由に該当しない方は登録が認められ、その証明としてCFMJ資格登録証が交付されます。
新規登録には、新規登録料 11,000円(税込)が必要になります。
◆登録要件
2025年4月1日以降の申請分より登録要件の「実務経験2年」が不要となりました!
資格登録申請の際には誓約書(欠格事由に該当しない)の提出のみとなります。
試験に合格した後は、速やかに資格登録することができます。
2025年度からの変更点
2025年度認定ファシリティマネジャー資格試験から、試験制度が大きく変わります!
これは私見ですが、年々受験者数が減少傾向にあるため、JFMAとしても危機感を感じており、受験者数の維持及び増加を目指し試験制度を緩和することに至ったのではないかと考えています。
試験制度の緩和は、受験者にとってはチャンスだと思いますので、今のうちに取得してしまいましょう!!
今回の試験制度の変更について、以下にポイントをまとめました!
・論述試験が廃止
・試験実施は10月
・受験料の引き下げ
・試験期間中に複数回の受験が可能に
・登録要件が撤廃され、実務経験が不要に
論述試験が廃止
論述試験が廃止され、学科試験のみとなりました!!
これは受験者の皆さんにとっては朗報でしょう!!
もともと論述試験については、採点方法が公開されておらず、ブラックボックスになっていました。ですので、対策も難しく、受験生の悩ましい分野だったかと思います。
今回、論述試験がなくなったことで、試験対策を学科のみに集中することができますね!
試験実施は10月
試験の実施時期が10月に変更になりました!
以前は、4月1日〜5月31日に試験申し込み、5月下旬〜6月上旬に学科試験、6月下旬に論述試験でしたが、約4か月繰り下げられて試験実施が10月になりました。
新卒者や新年度から異動者でも学習時間が確保できるように考慮されたようです。
これについても、受験生にとっては良い事かと思います!
受験料の引き下げ
受験料が22,000円(税込)から19,800円(税込)に減額になりました!
ただでさえ高い受験料ですが、2,200円減額されたということで、これも良い事ですね!
試験期間中に複数回の受験が可能に
合格点に達しなかった受験生は、試験期間中に複数回受験が可能になりました。
せっかく勉強したのに、また来年受験するのはもったいないですよね。。
合格点にあともう少しで届きそうだったという受験生は、もう一度試験を受けることで、合格できる可能性があります。
注意点としては、受験料はその都度必要になるので、金銭的な負担が発生することです。
念のため、もう一度受験できるように試験日はなるべく早めの日程で予約するようにしましょう。
登録要件が撤廃され、実務経験が不要に
なんと、登録要件が撤廃され実務経験が不要になりました!!
今までは、合格後に認定ファシリティマネジャーに登録するためには、学歴に応じて実務経験が必要でした。(大卒でも2年以上の実務経験が必要でした)
今回、この実務経験が不要になったため、欠格事由に該当しなければ合格後、すぐに登録を進めることができるようになりました。
実務経験不要で登録できるようになったので、受験する際にも実務経験を気にせず、受けられるようになったのは非常に良い事ですね!!
2025年度からの試験の難易度について
さて、2025年度から試験制度が変更になることで、試験の難易度に変化があるのか、受験生は気になるところですよね。
難易度の変化について、私なりに分析していきたいと思います!
前述したとおり、今回の試験制度変更の狙いは受験者数の増加と試験の透明性の確保だと考えています。
直近10年ほどの合格率を見てみると、44%前後となっており大きくブレることはありませんでした。
2015年 44.0%
2016年 43.9%
2017年 43.9%
2018年 44.0%
2019年 44.0%
2020年 未実施
2021年 44.1%
2022年 44.2%
2023年 44.3%
2024年 44.6%
資格試験ではよくあることですが、これまでは合格率がある程度コントロールされている可能性がありました。
これまでは、学科試験の正答率70%以上(400点満点中280点以上)で論述試験に進めるという仕組みになっていましたので、論述試験で合格率をコントロールしていた可能性があります。
2025年度は受験案内で、「今年度の合格点は、直近 2 年間の学科試験結果の中央値データに基づき 292 点 とします。」と記載されていますので、正答率は73%以上となります。
実はこの記述はすごいことを言っています。。
直近2年間の学科試験結果の中央値が292点だったと明言しているのです。
中央値というのは、データを小さい順に並べたデータのちょうど中央にあるデータのことです。
ということは、中央値が292点は、正答率70%である280点を超えていますので、受験者の50%以上の人が学科試験は通過しているということになります。
今年から学科試験だけで合否判定されますので、試験問題の難易度が変わらなければ、合格率は50%前後になります。
もちろん今年の試験結果が公表されないとわかりませんが、論述試験がなくなったことで、試験としての難易度は下がり、合格率も上昇していくことが予想されます。
たとえ受験者数が増えたとしても、合格点に変更はありませんので、受験者数が影響を難易度に影響を与えることはありません。
ということで、試験の難易度については、今年から下がることが予想されます。
ただ、勉強しないと合格はできませんので、受験生の皆さんは合格目指して頑張ってください!!
勉強方法については、以下で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ
この記事では、2025年度からの認定ファシリティマネジャー試験についてわかりやすく解説し、またその変更点や難易度について紹介してきました。最後まで読んでいただきありがとうございます。
ただ正直に申し上げると、受験料もそうですが、登録・更新にかかる費用も高すぎます。
これが民間資格の悪いところといっても過言ではないです。
冒頭で申し上げた通り、「認定ファシリティマネジャー(CFMJ)」の称号得られるだけの試験および登録・更新であり、独占業務がある訳ではないので、コストに見合う価値があるのか?という点については私も疑問です。
しかし、ファシリティマネジメント業務に関する基本的知識と理解があるという証明になるのも事実です。
名刺に載せたい場合や名乗りたい場合などは、新規登録し更新講習を受けてファシリティマネジメントの知識をアップデートしていけば、継続的な学習機会を得るという意味でも良いと思います。
もし、金銭的余裕がない場合や、その更新コストに価値を見いだせない場合は合格者の身分のままで、登録・更新を行わないこともできます。
もちろんその場合でも履歴書には「○○○○年○月 認定ファシリティマネジャー試験合格」と明記できますので、それだけでも十分価値はあると思います。
またこの試験勉強を通じて得たファシリティマネジメントの知識や理解については、消えることなく頭の中に残るはずですので、受験自体が無駄になることもありません。
私はファシリティマネジメントに出会って人生が変わりましたし、今はすごく幸せな人生を送っています。
これをきっかけにファシリティマネジメントを勉強して、日々やりがいのある仕事に挑戦してもらえたら、私はすごく嬉しいです!
ファシリティマネジメントで人生が変わったよ!そんな人が1人でも増えてくれることを切に願っています。